五里霧中
◆第二章◆
《追憶の傍で》
驚愕。
朝、目が覚めて一番最初に抱いた感情がそれだ。
なんて目覚めの悪い朝……
僕は(何故か)隣で猫のように丸くなり、寝息を立てているクロをまじまじと見つめる。
……なんで僕の布団で寝てるんだろう。
冬ならまだわからなくもない(?)。
寒かったから、っていう言い訳もできるだろうさ。
でも忘れちゃいけない、今は夏。
このバカみたいに暑い季節に、ウチの黒猫は何を考えているんだ。
と、懐疑心たっぷりに視線を送るほかない。