五里霧中
◆第一章◆
《日常の中で》
緩慢に動き続ける扇風機の羽を見つめながら、どうでもいい思考を宛てのない青空へ飛ばす。
今日の晩御飯は何だろう。
というか、今日の当番は僕じゃなかったっけ?
そんな具合だ。
僕は横倒しになっていた画面を正常な位置に戻すべく、のたりと体を起こした。
畳の上で長時間寝ていたせいか、体中が軋むように痛い。
やはり雑魚寝はよくないな。
そう言い聞かせ、うまく回らない頭を適当に回転させる。