五里霧中
* * *
天気は快晴。
晴れ渡る僕の心中とは裏腹に、この部屋だけはいつでもジメジメ、ジトジト。
あー、なんかさぁ、この部屋ごと日光消毒したいよね。
そんな荒れた欲望を封じ込め、僕は毎度の如く大嫌いな屋根裏部屋の扉を叩く。
「おーい、チミたちー。こんなところに籠ってたら茹でダコになっちゃうよー」
それもそのはず。
当然ことながら屋根裏部屋に冷房機器なんて気の利いた物はあるはずもない。
つけることもできたけど、あえてつけなかったのは僕の任意。
「ほら、最近は少しずつ秋っぽくなってきたじゃん?……あぁ、あの某小説のヤンデレ少年じゃなくて」
上記のヤンデレ君についてはわかる人はわかる。