五里霧中
「10、9、8……」
レイのカウントが始まる。
7秒もあれば十分だよ……と言い聞かせてみる。
つまり、僕はどちらも選ばない。
保身もしないし、レイにこれ以上人を殺させない。
もう僕等は子供じゃないんだから。
与えられた選択肢の中からしか答えを選ばないようじゃダメだ。
自ら模索して、足掻いて、やっと手に入れるものが本当の答えなんだよ。
『きっと』っていう言葉はつけない。
これぐらいなら確信を持って言えるよ。