五里霧中



それに僕はたくさん人を傷付けた。


自分と同じ人間に刃を突き立て、肉塊にしちゃったんだから。



「クロは、またあそこに戻らなきゃいけないの……?」


俯いたことで髪の中に埋もれた横顔は、悲しげに歪められている。


「まぁ、そういうことになるよね」


「! 絶対にヤダ!クロはずっとずっとみんなで一緒にいたい!」


「仕方ないよ」


自分で言っておいて、妙に冷めた口調だと思った。


「僕らの青春は終わったんだ」


これから始まるのは、絶望と孤独。


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