五里霧中



頬を流れる汗を拭うことも億劫になってきた。


ダラダラ、ダラダラ、毎日家に籠って。


いい加減仕事を持って外に出なさい!


汗に言っても仕方ないか。



こう暑いと頭の中まで煮え立ってきて、下らない思考に歯止めが利かなくなる。


不毛なんだからやめればいいのに。


ストッパーさえなくした僕は、流れ続ける汗と思考を抑えることなく足を進める。



道端で遊んでいる子供たちの奇異の視線も気にはならない。


ほーら、アホが通るよー。


みたいな。


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