五里霧中
ため息交じりに東を見やると、僕の視線も全く気にすることなく寝癖頭をかきまわしている。
なんでこんな胡散臭い人が探偵なんかやってるんだろう。
あ、胡散臭いからか。
「おい、今失礼なこと考えただろ」
「何を仰いますか。僕は年中失礼でしょう」
「……自分で言うか、普通」
開きなおる僕に苦笑を送り、やっとのことで東が起き出した。
僕がどうしてここに来たかはわかっているらしい。
頼もしいのやら、なんなのやら。