五里霧中



東はへぇへぇと適当に返事を返して、そこらに散乱している紙(資料らしい)を引っかき回しだした。


こんな汚いところから目的のものを探し出せることにだけは感服する。


「おー、あったあった」


「よく見つかりましたね。この奇跡に拍手」


「馬鹿にしてんのか?アホが」


慌てるように「いえいえ」と頭を振ると、東は納得したのか、手近な椅子に偉そうに腰掛けた。


決して僕には椅子を勧めないことも知っているので、僕は勝手にソファーに腰を下ろす。



「で、なんとかちゃんの捜索の話」


「その、なんとかちゃんっていうの、そろそろ何とかなりませんか?」


僕のツッコミを受けても、東は書類に目を向けたままに口を動かす。


どーでもいいと口で言われるよりも虚しい。



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