My Little Girl(加筆修正中)
盛夏(花火)
合宿所の台所で
「アズ…」
「奏ちゃん、そんな顔しないで。私なんとも思ってないし。そんな顔されたら困っちゃう」
「ん」
「山崎先輩は何も知らないんだから」
「ん」
アズがニヤッと笑い
「でも、今頃山崎先輩達…知ったと思うけど」
「ん?」
「ほら、香苗先輩と真理ちゃんが話してると思うよ」
「あの2人知ってるのか?」
「同じ部屋にいるんだし、一緒にお風呂にだって入ってんだよ。見られてるよ…だから話した」
「そうか」
「うん。だから話してると思う。でも奏ちゃん」
「ん?」
「フフフ…知らんふりしとこうね」
悪戯っ子のように舌をペロッと出す。
抱き寄せ、キスしようとすると
「ダ~メ!約束したでしょう、キスしないって」
俺の口を手で塞ぐ。
「分かってる
アズの前髪を掻き分け、おでこの傷にキスを落とす。
「……」
「これくらいならいいだろ」
「奏ちゃん、ずる~い」
「さっ、戻ろう。謙介の馬鹿に変に勘繰られる」
飲み物を手に持ち
「ハハハ…山崎先輩、色ぼけだもんね」
「そうだな。ハハハ…」
――
―
戻ると何か楽しそうにみんな笑ってた。