My Little Girl(加筆修正中)



「ほら、次行くぞ」

さっさと先に行くし。

「もう~待ってよ」

「早く来い」

小走りで後を追う。

「あっ、ペンギンだ」

「あれもお前に似てんな」

「どこが?」

声が険しくなる。

どうせ褒め言葉じゃないだろうし。

「あのヨチヨチ歩き」

「奏ちゃん!」

「褒めてんだぜ」

「……」

どこが褒めてんのよ!

ニヤッと笑い

「ヨチヨチ歩いて可愛いじゃん」

「可愛いはともかく、私ヨチヨチ歩いてないからね」

「へっ?お前、自分で可愛いと思ってんの?」

「へっ?お、思ってないよ。奏ちゃんが可愛いって」

あれ?

話しが変かも…

「俺はヨチヨチ歩きのペンギンみたいに可愛いつった。お前はペンギンを否定して自分が可愛いつってるじゃん」

えっと…なんかこんがらがってきた。

えっと

ヨチヨチ歩きのペンギン=可愛い=私

ってことは

ヨチヨチ歩きのペンギン=私

って図式が出来るわけで…

「やっぱり褒めてない!」

「ん?今まで考えてたのか?」

「……」

「 行くぞ。イルカのショーが始まる」

手を繋ぎ歩き出す。

ず、狡い。

手を繋ぐことで誤魔化すなんて。

こんな優しく手を繋いでくれたら、いつまでも怒ってられないじゃない。

奏ちゃんの知能犯!



< 274 / 683 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop