My Little Girl(加筆修正中)
「ほら、次行くぞ」
さっさと先に行くし。
「もう~待ってよ」
「早く来い」
小走りで後を追う。
「あっ、ペンギンだ」
「あれもお前に似てんな」
「どこが?」
声が険しくなる。
どうせ褒め言葉じゃないだろうし。
「あのヨチヨチ歩き」
「奏ちゃん!」
「褒めてんだぜ」
「……」
どこが褒めてんのよ!
ニヤッと笑い
「ヨチヨチ歩いて可愛いじゃん」
「可愛いはともかく、私ヨチヨチ歩いてないからね」
「へっ?お前、自分で可愛いと思ってんの?」
「へっ?お、思ってないよ。奏ちゃんが可愛いって」
あれ?
話しが変かも…
「俺はヨチヨチ歩きのペンギンみたいに可愛いつった。お前はペンギンを否定して自分が可愛いつってるじゃん」
えっと…なんかこんがらがってきた。
えっと
ヨチヨチ歩きのペンギン=可愛い=私
ってことは
ヨチヨチ歩きのペンギン=私
って図式が出来るわけで…
「やっぱり褒めてない!」
「ん?今まで考えてたのか?」
「……」
「 行くぞ。イルカのショーが始まる」
手を繋ぎ歩き出す。
ず、狡い。
手を繋ぐことで誤魔化すなんて。
こんな優しく手を繋いでくれたら、いつまでも怒ってられないじゃない。
奏ちゃんの知能犯!