My Little Girl(加筆修正中)
神社に向かい
横を歩くアズに目をやると着物を着ているというだけで、なんだか不思議な感じだ。
大人びて見えるような…
髪をあげてるから項が見える。
その項が妙に色っぽい。
「奏ちゃん、どうしたの?」
アズが不思議そうな顔して
「あっ、何でもない。お前、苦しくないか?着物で」
「大丈夫だよ。この着物ね、お母さんの着物なの」
紺色に細かい花が描かれてる着物に淡いピンクの帯をしてる。
「見て、見て~後ろ」
「ん?」
後ろ姿を見せ
「この帯結びね、文庫結びって言うんだって。可愛いでしょ!」
帯がリボン見たいに可愛いく結んである。
「あぁ」
「ん、もう!もうちょい何かないかな」
「何が?」
「可愛いとか綺麗だよっとか、あるでしょう?」
「せっかく奏ちゃんの為に着たのにな」
小さな声で
コイツは、さらっと殺し文句を言いやがる。
「…か、可愛い」
「えっ?」
「だから可愛いつってんだろう」
恥ずいこと何回も言わすな!
「可愛いって言うのに怒鳴らなくてもいいじゃない」
アズも怒鳴り返してくるし。
「誰も怒鳴ってないし。どっちかつうと怒鳴ってんの、お前の方」
道行く人が何事かと見ていく。
「あっ、へっ?ご、ごめん」
やっぱ素直だ。
「…行こう」
「うん。そ、奏ちゃん、手、手繋いでいい?」
「あぁ」
手を差し出し固く繋ぐ。
「ヘヘヘ…」
「なんだよ?その笑いは」
「ヘヘヘ…大好きだよ」
こんな道の真ん中で、しかも人がゾロゾロいる中で…
やっぱアズは年が変わっても…アズだ。