My Little Girl(加筆修正中)
「田沢」
「南先生」
「大丈夫か?」
「はい?」
「風邪」
「あっ、はい。大丈夫です」
先生、心配してくれてんだ。
「明日からクラブだけど…暫く休め」
「えっ?」
先生、何も知らないはずだけど。
「そんなに痩せてたら体力もないだろうし倒れるぞ。暫くゆっくりしろ」
「先生…」
「いいな」
「はい。すみません」
再び頭を下げ
「もう1人、倒れそうな奴がいるしな」
「えっ?」
「まぁ、アイツは体力あるから大丈夫だろう」
先生が苦笑している。
「先生」
「うん?」
「そ、キャプテンのこと」
「分かってる、大丈夫だ。田沢はまず自分のことを心配しろ。アイツのことは後回しでな。いいな」
「ありがとうございます」
「うん。あっ、お迎えが来たぞ」
奏ちゃん?
体が硬直する。
そんな私を見て
「田沢、山崎だ」
ふぅ~
力が抜けた。
「亜澄ちゃん、今帰りか?そこまで一緒に行こう」
爽やかな笑顔で…
「先生、仲秋ちょっと用事があるんで今日はピンチヒッターなんすよ、俺」
先生に言うよりは周りにいる生徒に聞こえるように言ってるような。
…そうだよね。
いつも奏ちゃんと帰ってるのに、1人だと変な噂になるかもしれないもんね。