My Little Girl(加筆修正中)
「キャプテン」
部室に入ろうとしたら北本に声を掛けられた。
「ん?」
「ちょっといいですか?」
「あ、あぁ」
部室から少し離れた所で
「キャプテン」
「ん」
「亜澄ちゃんを泣かせないで下さい」
「……」
「く、詳しい事は分かりませんが、さっきあんなに泣いたから。南先生が早退させました。亜澄ちゃん風邪なんかじゃないんでしょ?」
「あぁ」
「何があったか知りませんが、お願いですから亜澄ちゃんを泣かせないで下さい」
「北本」
「は、はい」
「心配かけて悪かったな」
北本に頭を下げる。
北本は驚いたように
「キ、キャプテン!」
「約束する。アズを泣かせないって」
北本が大きく目を見開いて
さっきまでの鋭い顔から、やっと笑顔に
「約束ですよ」
「あぁ。あっ、北本」
「はい」
「大原はアズのこと」
ニコリと笑いながら
「知りません。風邪が悪化したと思ってます」
「北本に嘘つかせて悪いんだけど、大原には風邪で通してくれないか?余計な心配させたくない」
「分かってます。任せて下さい。じゃあ先に体育館に行きますね」
「あぁ。すぐ行く」
北本の後ろ姿を見送ってると