My Little Girl(加筆修正中)



「だからね」


「ん?」


アズが俺の手で遊んでるのに気をとられてると


「聞いてる?」


思い切り手を握りしめる。


「い、痛い!アズ、緩めろ」


手を離し


「あっ、ご、ごめん」


「で」


「あっ、うん。明日クラブ出ないから…お弁当作る」


へっ?


「弁当?」


「うん。奏ちゃんと先輩の分ね」


「俺と謙介の」


「うん。私、何もお礼出来ないし。先輩、土曜日はパン買いに行ってるでしょう?だから上手くはないけど頑張って作るから食べて貰えないかなぁ」


「アイツなら、涙流して喜ぶ」


「ほんと?」


「あぁ」


「うん。…でも先輩、明日練習でるよね」


「当たり前だ、サボりは許さん」


アズが俺の顔を見て


「…この間、私の為に休んでくれたの怒った?」


「フッ あれは、南先生が了承してたから大丈夫だ」


南先生…元は貴方の責任ですからね!


「よかった。じゃあ先輩にお弁当の事、連絡しとこ」


携帯を取り出したのを取り上げて


「内緒にして驚かそ」


「えっ?」


「な!」


「ハハハ…奏ちゃんイジワルだね」


「ハハハ…」


二人して笑った。


こんな風に笑える日が来るとは…



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