My Little Girl(加筆修正中)



「だけど…お前も辛いな」


「何が?」


何が辛いと云うのか?


「いつも傍にいてんのに…今だに出来ない」


「……」


「まぁ、相手があの亜澄ちゃんだからな」


「……」


「前の事も…」


一月のあの…


「そうだな。あれがあったから…俺、怖いのかもな」


「奏…」


「謙介」


「ん?」


謙介がマジな顔で聞いてる。


「確かに…結ばれたいと思う時もある。だけどな」


「……」


「アイツが怖がってたり…無理矢理なら、何もないほうがましだ」


「奏…」


「俺はアイツの全てが欲しいんだよ」


「全てか?」


「あぁ…俺、贅沢か?」


謙介が


「フッ」


と笑い


「いいんじゃねえの。相手が亜澄ちゃんなら…その価値はあるさ」


「お前、やけにアズ贔屓だな」


「妬くな。亜澄ちゃんは可愛い妹分だ」


フッ 妹分か。


うちのクラブの奴皆がそう思ってる。


「まっ、大事にしてやれや」


「云われなくても分かってる」


「ハハハ…そうだな。じゃあ俺、帰るわ」


「あさってから学校だな」


「あぁ…謙介」


謙介が振り返り


「うん?」


「また頼むな」


「あぁ、こっちこそな。じゃあな」


「ん」


謙介が帰って行った。


もう春休みも終わりか。


何か…濃い休みだったな。



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