スノードロップ
07.電話
夕方6時を回った頃,あたしはなんとなく落ち着かなくなってリビングへと降りて行った。
ずっと幸基の部屋を気にしていたけど,幸基は帰って来なかった。
まったく,球根選びにどれだけかかってるのよ―。
あたしもついていけばよかったかな,なんてことを思いながら,リビングに入っていく。
あたしに気付いたお母さんが,読んでいた雑誌から顔を上げてにっこりした。
「あら,夜ごはんならまだよ」
「うん,わかってる。でも何か…落ち着かなくて」
そう言って,ソファにどさっと腰をおろした。
そんなあたしをしばらく見つめたあとに,お母さんが不思議そうに言った。
「珍しいわね?雪希がそんなこと言うなんて」
あたしは少し苦笑いをした。
幸基に謝ることを考えると緊張しちゃって,なんて,いくらお母さんが相手でも恥ずかしすぎて言えるわけない。
その時。
電話が鳴った。
いつもと変わらないコール音。
でもなぜだろう,それは空気を切り裂くように鳴り響き,その瞬間,あたしは全身から血の気が引くような感覚に襲われた。
ずっと幸基の部屋を気にしていたけど,幸基は帰って来なかった。
まったく,球根選びにどれだけかかってるのよ―。
あたしもついていけばよかったかな,なんてことを思いながら,リビングに入っていく。
あたしに気付いたお母さんが,読んでいた雑誌から顔を上げてにっこりした。
「あら,夜ごはんならまだよ」
「うん,わかってる。でも何か…落ち着かなくて」
そう言って,ソファにどさっと腰をおろした。
そんなあたしをしばらく見つめたあとに,お母さんが不思議そうに言った。
「珍しいわね?雪希がそんなこと言うなんて」
あたしは少し苦笑いをした。
幸基に謝ることを考えると緊張しちゃって,なんて,いくらお母さんが相手でも恥ずかしすぎて言えるわけない。
その時。
電話が鳴った。
いつもと変わらないコール音。
でもなぜだろう,それは空気を切り裂くように鳴り響き,その瞬間,あたしは全身から血の気が引くような感覚に襲われた。