スノードロップ
「雪希っ!次,雪希の番だよ」
隣に立つ親友の薫にこづかれて,あたしは物思いにふけっていたことに気がついた。
おじさんと早苗ちゃんは,わざわざクラスメートのための時間を作ってくれていた。
ひとりひとりが幸基の棺に菊の花をおさめて,思い思いに伝えたいことを告げる時間。
薫はたった今幸基のところから戻ってきたようで,その頬には大粒の涙が光っていた。
「あ…うん」
魂の抜けたような情けない声で返事をして,ゆっくりと前に進み出る。
手が震えて,菊を握りつぶしてしまいそうだ。
一歩一歩が,たまらなくきつい。
隣に立つ親友の薫にこづかれて,あたしは物思いにふけっていたことに気がついた。
おじさんと早苗ちゃんは,わざわざクラスメートのための時間を作ってくれていた。
ひとりひとりが幸基の棺に菊の花をおさめて,思い思いに伝えたいことを告げる時間。
薫はたった今幸基のところから戻ってきたようで,その頬には大粒の涙が光っていた。
「あ…うん」
魂の抜けたような情けない声で返事をして,ゆっくりと前に進み出る。
手が震えて,菊を握りつぶしてしまいそうだ。
一歩一歩が,たまらなくきつい。