スノードロップ
04.謎
 あたしは小さなため息をついた。

幸基…好きになっちゃってごめんね?

そんな言葉が溢れた。
今日のあたしはなんだかもろい。涙まで溢れそうだ。

「髪…」

そんな気持ちを隠すために,わざととがった声を出す。

「髪もちゃんとマフラーから出してよね!」

幸基は一瞬ぽかんとしたあとに,マフラーに巻かれたあたしの髪を見てははっと笑った。

「わりー!そこまで気づかなかった!」

あたしはまったく,と言わんばかりに大げさに髪をぱっと払った。

「じゃああたし帰るけど…幸基は?まだ無駄に学校残るの?」

「んー…じゃっ,途中まで一緒に帰らして」

「途中まで?」

あたしは眉を寄せた。

「どっか寄るの?」

一瞬,幸基の切長の目があたしをとらえた。

「島津んち行く」

「島津くん…?」

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