魔王様の好きな人
プロローグ
「本当にアイツは使えないな。期待した俺がバカだったか……」
真ん中に座る男が言った。
「そのようで」
「全く人間はよぉ…いつも自分の欲ばかりだなぁあの女もそうなんじゃねーの?」
真ん中に座る男の眉があがった…
その時
さっき話していた男が、地面にひれ伏した。
いや、無理やりひれ伏されたという方が正しい…。
「愚かな……余計な事を言ったばかりに」
秘書らしき男が言った…
「貴様、埋めるか?」
と真ん中の男が言った。そして男の体は、どんどん沈んでいく。
体が沈んでいる男は、自分の力を最大限に使い、逃げる事に成功した。
今度、彼女のことを悪く言えば殺されるだろう。
「いえ…出過ぎた事を申しあげました…。」
「フッ」
真ん中の男は満足げに脚を組んだ。
「もう使えない男に用はないですね…始末しますか?」
「あぁ」
「では人間界へ」
男たちは、風のように消えた…。