魔王様の好きな人
コンコン。
「「失礼します。」」
誰かが入ってきた。
はぁこの男に続いて、違う人たちにも泣き腫らしたひどい顔見られるのね…。
「疲れたので寝ます。」
私が質問したのに…
自分の事ばっかり…
ごめんなさい。
「ごめんなさい。」
男の人は何も言わず頭を撫ででくれた。
お父さんみたい…。
ゴツゴツしていてもなおしなやかで優しい手…。
今は単身赴任でいないんだよね…。
でも小さい時撫でられた記憶がある。
ありがとう。
少しだけそう思ってしまった。