魔王様の好きな人
第2章
第一部
「アハッッッハ」
一人の若い男が笑っている。
それもかなりの大笑い。
その先には、水晶があり中には、ナイトが真希を抱きしめ、真希が腕をまわそうとしている瞬間だった。
「アハッ〜…ナイトって面白い。あんな顔もするんだ。」
傍にいた執事が説明する。
「ナイト様は、ある人間処分するために人間界に出向き、人間である真希様を連れて帰りました。」
「何その説明」
少しムスっとした顔で聞き返した。
「失礼しました。ご自分でご確認して下さい。」
めんどくさーといいながらも、水晶に手をかざすと、雨が降っている情景が中に現れ、またもや、男は、大爆笑していた。
「ねぇ僕は、この子に会えないの?」
好奇心旺盛な目で執事をみた。しかし…
「でもいずれ、会えるからいいや。」
とマイペースぶりを発揮し、また水晶をみた。
やはり大爆笑だった。