魔王様の好きな人
「失礼します。」
顔面蒼白になりながら、真希のメイドであるテアがノックの返事をする前に入ってきた。
なんなんだ。
ノックの返事もきかず。
無礼だぞ。
というナイトの心の叫びが、顔から伝わったのか
「申し訳ありません。無礼をお許し下さい。
実は…真希様の姿がみえないのです。バルコニーにいたはずか゛どこにもいらっしゃいません。今私達総出で探しておりますがなかなかみつからず、ご報告に伺いました。」
なんだと?
いないだと?
「アル、城の中にいる全ての者に真希を探させろ。」
内心焦っているナイトを尻目に、笑顔のアル。
そして口を開いた。