キミがいる
しぃちゃん♪…

私の脳裏を駆け巡るこの記憶は…?

さらさらとした髪
子供にしては爽やかすぎる笑顔


なんなんだろう…
すぐそこまで答えはきているのに…出てこない…


「しぃちゃん?」
心配そうに彼が私の顔を覗き込む。

この人はきっと私の幼なじみかなにかだろう。と思う。
なぜならしぃちゃんという名前は小学校の低学年とある男の子しか使っていないから…。

ある男の子…
それがきっと峰岸輝星くんなんだと思う。
どうして面影だけしか思い出だせないのかな?

「僕のこと、忘れちゃったの?」
悲しそうな顔をする峰岸くん。
その顔をみて思い出した。
「きら…くん…?」

すると彼はニコッと笑う。左頬にできるえくぼ…。

「でも…なんで?」
名前しか出てこない。
彼の記憶には霧がかかっている。何故だろう…。

「しぃちゃんとの約束を果たすためだよ。」
「え?」
きっと彼は勘違いをしている。
私が何故と思ったのは、彼のことをすぐに思い出せなかったこと。
そして…わかった今もなお、彼との記憶は霧がかかっているようで…何も出ては来ない。
唯一出てきたくれたのが名前とあだ名と面影…
彼はきっと私のなんで?は、彼が何故ここにいるのかに対してだと思っている。
約束ってなんだろう…
霧のかかった私の頭にはなにも答えが浮かばなかった。
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