ありがとうさえ、下手だった
彼はとても喜んでいた。
それは邪気に溢れた喜び方だったけれど、それでも。
彼が喜んでくれるのなら、俺は構わなかった。
たとえるならば俺は、そう。
親に構ってもらいたい子供だったのだ。
親に笑ってほしいから、手伝いをするような。
挙げた例はとても無邪気で、自分とは程遠いものに思えて、笑えてしまった。
それから俺は本格的に殺し屋として依頼を受けるようになった。
血の匂いが染みついたナイフが、俺に笑いかける。
もっとやってしまえとささやく。
すべては自分から望んでやったことだった。
だから、当たり前だったんだ。
報いを、受けることになるのは。