期間限定恋愛



顔を上げた茉莉香の目はやっぱり赤く晴れ上がっていて
ただそれだけで俺まで苦しくなる。


「茉莉香、どうした?」

できるだけ優しく問い、
肩に手を置いた。


「……私なんかしたの?」

また潤んできた瞳に急いで目をそらした。

んと、こいつは…


「なんでそらすのよっ!」

っえ?

茉莉香が両手で俺の顔を掴んで、自分の方に向けた。


「ま、茉莉香…?」

どうやらご立腹な茉莉香は
頬を膨らまして、涙目で俺を見る。


「ちょ、本当…困る……」

涙目はやめろ、
ついでに頬膨らましてんのも可愛いんだからやめて欲しい。


目だけをキョロキョロ動かす俺に、いつまでも顔を挟む手を緩めない。



「はぁ…」

観念して、
茉莉香を見つめ返したら
大きな瞳から涙が溢れている。



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