期間限定恋愛
「なんで…」
ポタポタ落ちる涙を拭うことも出来ずに、さまよう手。
「……バカ聡」
顔を挟んでいた手が徐々に下がってきたと思ったら、
急に抱きついてきた茉莉香。
まじ、本当になんなんだよ…
「茉莉香、本当にどうした?」
教室では他の男と楽しそうに笑ってたじゃねぇかよ…。
大切な人が泣いてるときでさえ、そんな風に考えてしまう自分が憎い。
「…だって……」
俺の胸で泣きじゃくる茉莉香。
なんか、それがちょっと優越感だったりして、
心に余裕が出来たからか、
震える小さな背中に腕を回した。
「ん?」
一定のリズムで背中を叩きながらあやすように優しく言う。