コイシグレ。



「星羅お帰り〜!」


家に帰ると紗羅ちゃんが
キッチンにいて
なんだか不思議な匂いが部屋中に漂っていた。



「ね、ね、これ食べてみて?」


ぱたぱたと足音を立てて
私の前に持ってきたのは
玉子焼き。




「…………あんまーい…」


見た目は綺麗だね。
ってフォローしたつもりだったけど



「味が良くなきゃだめじゃん!」


と正しいことを言ってキッチンに戻っていった。




「ねぇ、なんで突然料理なんてやってるの?」



いつもなら紗羅ちゃんは
まだ大学にいるはず。




なんで?



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