夢見屋
「んっ……」
重たい瞼をこじ開けて携帯を開く。
時間は12時40分
昼休みの真っ最中だ。
「午後からは授業でるか」
俺は隣で寝ている司を起こして屋上を出た。
教室はまだざわついていて、正直うるさい。
「良汰またサボりかよー」
「ははっ。いつの間にか寝てた」
「うけるっ」
「てか良汰と瀬戸また一緒かよ。全然性格違うのにな」
大きなお世話だっつの。
司は学校ではクールキャラ。だから俺と一緒にいるのが変なんだと。
俺からしてみれば司よりお前らといる方が不自然。
言ってみれば司は夢見屋で嫌いになりたくない奴。
お前らは嫌いになってもいい……いや、元から好きなわけじゃないから嫌いにならないのか。
ガラッ
「おーい。席つけー、授業始めるぞ」
全くもって退屈な日々。