夢見屋
‡第2章
儚い残像
───────……
「りょーちゃん」
この声は……
「莢……?」
どうして…病院にいるんじゃ……
いや、それよりも目を醒ましたのか?
「莢?どこにいるんだ?」
「りょーちゃん」
「莢!」
そこにはいつも病院で見ていた莢が立っていた。
「りょーちゃんのせいだよ」
「え?」
莢は無表情で、昔の向日葵のような笑顔はない。
「莢がこうなったのは、りょーちゃんのせい、だよ」
心臓が、凍ったような気がした。
「どうしてくれるの?」
「莢ごめん」
ごめん
ごめん
――ごめん
「許さない」
「ごめん、莢――……」
……───────