夢見屋



「莢!!」


はぁはぁ…


荒い息を整えながら周りを見ると俺の部屋。
どうやらさっきのは夢だったようだ。



分かっている。


これは夢。


本当の莢は今も病院のベッドの上だ。

それなのに……



――…心臓の速すぎる動悸は止まらない。



寒い訳でもないのに、体の震えが治まらない。



夢だと自分に言い聞かせても


莢が目覚めたら……夢が現実になるような、



……そんな気がする。
まぁ、当然と言えば当然か………






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