夢見屋
「あの……良汰様…」
アランが言い辛そうに尋ねてくる。
「ん?どうした、アラン」
「最近、今まで見なかった夢を見る……なんてことありますか…?」
「へっ…?あぁ…そう、それ!……夢をみた後に頭が痛くなったんだよな…」
「そうですか……」
「でも何でアランが知ってるんだ?」
俺、話してないよな?
すぐ倒れちゃったし……
「い、いえ!何でもないです!!」
「嘘つけ。お前深刻そうな顔して『そうですか……』とか言ってたじゃん!」
アランを真似してあえて眉間に皺を寄せる。
「そんな顔してないじゃないですかー!!」
アランは手をブンブン降りながら否定する。
「いーや。してたよなー、リアル?」
「はいですー!」
「リアルまでぇーー!!」
アランが笑って、
リアルが笑って、
些細なことだけど、今の俺にとっては、すげぇ大切なモノだった。