夢見屋
「ジョーダンに行ってただけだ」
「ジョーダン?店長に用事でもあったのか?」
「まあな」
「そっか。…俺はてっきり彼女でもできたのかと思った!」
「バーカ。今でも大切な物は変わってない。莢が一番大切だ」
それは司も同じはず。
俺にとって大切なのは莢と司。
この2人が俺の世界を作って来たんだ。
「んじゃ、俺そろそろ帰るわ」
「ん。じゃあな」
司の家は結構有名な会社を持っている。
だから門限があるんだけど、司は変なところで真面目だからまだ破ったことはない。
おじさんとおばさんもいい人たち。
だけど最初は嫌いだった。
――…俺達から司を奪っていくのかって…