夢見屋


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「りょーちゃん!つかさっ!遊びに行こうよ!!」


「ダメだ。遊んでいーのは5時までなんだから」


「いーじゃん。先生たちにバレなきゃいーんだから」


「だーめーだ!ほら、帰るぞ、ひまわりへ」




俺達には親がいなかった。



莢の両親は莢が三歳の時に事故で亡くなった。

司の親は離婚して、母親が自殺。父親の行方もわからず親戚もいなかったらしい。

そして俺は、生まれてすぐに……捨てられた。
施設の前に置かれていたんだ。


そんな感じで親のいない俺達は施設『ひまわり』で育った。


歳も同じだった俺達は自然と3人でいることが多くなって、いつも遊んでいた。


莢がワガママ言って、司がそれにノって、俺がまとめる。


そうやって楽しく過ごしてた。
そう。確かに楽しかったんだ。





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