夢見屋
黒い光
「おはよう、莢」
今日は朝から莢のところに来ていた。
学校は久々にサボり。息抜きも大切だ!
もちろん司も一緒。
俺よりは司の方が真面目に学校に通ってるけど、あいつも大概サボり魔だからな。
「莢……また痩せたな……」
莢の折れそうなくらい細い手首を見て、司がそう言葉を溢す。
点滴で命は繋がれてるけど、それでも目を醒まさない莢はだんだんと痩せていく。
俺たちは莢に何もしてやれない…
医者でもなければ超能力者でもない。
そもそも、何故莢が目を醒まさないのかわからないから……
俺たちは、俺は、本当に非力だ。