夢見屋



「お2人共……どうなさったんですか?」


アランが遠慮がちに尋ねてくる。
それほどまでに自分たちのモチベーションは下がっていたのか。

俺たちに演技の才能はないらしい。

莢のところから司とふたり、夢見屋に来ていた。
普段通りに振る舞ったつもりだがアランにはバレていたらしい。


「元気がないのです…」


…リアルにもバレていたようだ。


俺は苦笑いを浮かべつつ「なんでもない」と返す。


それでもまだ2人は心配そうにしていたが、俺は無理矢理話題を変える。


「そういえばさー、アランって何歳なわけ?」


「はい?」


顔がいきなり何だと言っている。


「いやさ、俺らアランの歳知らないから」





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