夢見屋


するとアランは眉尻を少し下げて言った。


「僕たちに年齢は無いんです」


「へ?」


間抜けな司の声は緊張感すらなくなるな!


「……僕もリアルも誕生日というものが無いんです。だから何歳か分からなくて」


悲しそう……というわけじゃないみたいだ。
むしろ、俺達に気を使っているような……


「長生きなんですよ」


あまりにもあっけらかんと言ってのけるアランに、何故だか俺の方が哀しくなって……

思わず言ってしまったんだ。


「俺が決めてやるよ」


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