夢見屋


「リアルー、こっち来い。俺がなでなでしてやるよ」


司が呼ぶと、素直にそっちへ行くリアル。


なんだかこの光景……、


家族、みたいだ……。



俺には居なかった、家族。


あえて言うなら司と莢が家族みたいなもんだったけど。


やっぱり誰かが隣に居るっていいな。

いつも暗い部屋に独りでいるから余計そう思うのかもしれない。



――…眩しい。


この空間が、
アランが、
リアルが、
司が、

眩しい。



暗い闇に慣れた目は急に入ってきた光を──拒絶する。








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