夢見屋
「こーら、良汰」
「……司?」
そんなことを考えていると、リアルを撫でていたはずの司が俺の傍に来ていた。
「何だよ?」
スウ──…
司がおもむろに手を上げたかと思うと、
バシンッ
「っ────!!ったあ!!」
司が思いっきり俺の頭を叩いた。
「っにすんだ、このバカ!!」
俺は涙目になりつつ司を睨んだ。
「バカはどっちだ」
呆れたように言う司。
ってか俺、何した?
「そんな顔して……まーた、『明るい場所に俺は似合わない』とか考えてたんだろ」
「なっ!?おまっ、何で!!」
見事に言い当てられ、動揺を隠せない。