夢見屋
俺がそう声をかけるとふたりとも同時にこっちを向いた。
「す、すみません良汰さま。えっと、…マムはその、同業者と言いますか……」
え?同業者?
同業者ってなに。夢見屋っていっぱいあんの?
そう疑問を口にすれば、アランはとんでもないことを言い出した。
「ええっと…マムは別の世界の夢見屋なんです」
「……、は?」
ベ ツ ノ セ カ イ ?
別の世界ってなに。
ファンタジーな展開には少々なりとも慣れた筈だった。慣れたと思っていた。
なのに、別の世界って。それは幾らなんでも容量オーバー。
理解するのに時間がかかるのは致し方無いことだろう。