俺が堕ちた……相手は王子?
そこは……俺の家には無い、あったかな愛情溢れる家やった。
「夕ヶ丘に透君みたいな頭良さそうな子がおるなんてねぇ……」
決して広いとは言えない雑然と物が置かれた食卓。
俺の塵一つ無い、使用人が掃除してくれる家とは違う人間味。
「この子アホやろ?」なんて言いながらも大切にされている龍。
だから……こんな環境で育ってたから俺の言う事も聞いてくれとったんやなぁ。
あれは当たり前じゃなくて、龍の優しさやったんや。