俺が堕ちた……相手は王子?
相沢の声に顔を上げると王子、こと透の周りには更なる人。
「やっぱり男ばっかりやと恋愛感情も生まれてしまうんやろか?」
ミツの悲しげな声に俺は思わず飲んでいた水を噴き出した。
「ちょっ勘弁してや。冗談にも程がある!」
ミツは未だに男子校だという現実を受け入れられないらしい。
「二人は彼女おらんの?モテそうやん」
相沢の問いかけに、俺達はがっくりと顔を見合わせた。
何故なら……夕ヶ丘に決めた(他に選択肢はなかったけども)瞬間!女達は去っていった。
「夕ヶ丘行くほどアホやと思わんかったわ」
「寮入ったら遊べばれへんし」
「一緒に学校行ったり、普通のデートしたいしな」
思い出しても腹の立つ数々のメールは削除したのに頭の中に残っとる。
ま、結局は俺達の見た目や地元で有名だってだけで群がってただけで、こっちも向こうも本気で恋愛なんてしてへんかったんやろうな?