俺が堕ちた……相手は王子?
結局、直接聞けば?という結論になったのは言うまでも無い。
俺は何を期待しとったんやろう?
相沢に、龍には彼女はおらんって言って貰いたかっただけ?
力無く、モヤモヤを抱えたまま廊下を歩いていると
「透っ!!」
冷え切った通路の脇から白い息を吐いた龍が走ってきた。
「黙っていなくなるから拉致られたんかと思ったわ」
「相沢の所におっただけやし」
そう言うと複雑そうな顔をした後、安堵の色に変わる。
「なんかなぁ、デートスポットの本真剣に読んどったわ」
龍を笑わせようと、明るく言ってみる。相沢をネタにした事は秘密や。