俺が堕ちた……相手は王子?
校舎を抜け、玄関口を走り抜けると透の姿が目に付く。
「大変やなぁ……まだ俺の助けはいらんか?」
「俺の問題やし……じゃあな?」
門の外には鬼城につまみ出された亜美がしくしく泣いとった。
「亜美?」
「……うぅ……ひっく……龍?」
「どうしたんや?今日は具合悪いって言ったやろ?」
「だって……だって……龍の事心配やったもん」
肩を震わせて泣く亜美を見たら怒る気力も無くなって……。
「気持ちは嬉しいけどな?うちの学校厳しいねん。亜美が学校に入ったら俺が謹慎食らうかもしれへん」
そしたら……本当に会えんやろ?
そんな俺の言葉に亜美は可愛く頷いた。
分かってくれたらええんや。仮病を使った俺も俺やし。
「じゃあ、また具合良くなったら連絡するから」
とりあえず一件落着!!
……んな訳は、無かった。