俺が堕ちた……相手は王子?
「克服したかったんやって」
前田は人懐っこそうな笑顔でそう言うと席を立つ。
「透を傷つけんなや?」
そう手を振りながら。
前田はどう思ったんやろうか。
トラウマを抱えた透が男と付き合う訳は無い、と思ったか……それとも、透の心を変える男が出来た、と思ったか。
どちらにせよ俺は変わらへんけどな。
透は普通に友達を作りたかっただけ。
俺が守ったるから……
普通に男と友達になれるとええな。