俺が堕ちた……相手は王子?



そんな飢えた俺とは正反対に、透の顔は冴えんかった。






なんつーか、透って女に興味はないんやろうか?


趣味はないんやろうか?


何が楽しくて生きているのか、俺には分からんかった。





頭は悪くないらしいけど、勉強してるそぶりも無いし……。





遊ぶ事が一番楽しい俺には全く謎の生命体。





「行ってもええけど、俺と一緒やったらつまらんやろ?一人で行ってきてええで?」




部屋から出ないようにするから大丈夫やろ、そう言って力なく笑う透が少しだけ気になりつつも……俺も俺である時間が欲しい。



その欲求に勝てる筈も無く、自分の自由を選んだ。



< 87 / 146 >

この作品をシェア

pagetop