俺が堕ちた……相手は王子?
そんな飢えた俺とは正反対に、透の顔は冴えんかった。
なんつーか、透って女に興味はないんやろうか?
趣味はないんやろうか?
何が楽しくて生きているのか、俺には分からんかった。
頭は悪くないらしいけど、勉強してるそぶりも無いし……。
遊ぶ事が一番楽しい俺には全く謎の生命体。
「行ってもええけど、俺と一緒やったらつまらんやろ?一人で行ってきてええで?」
部屋から出ないようにするから大丈夫やろ、そう言って力なく笑う透が少しだけ気になりつつも……俺も俺である時間が欲しい。
その欲求に勝てる筈も無く、自分の自由を選んだ。