魔法にかけられた瞬間
悩み
今すぐにでも冷たく重い雨が落ちてきそうな分厚い真っ暗な雲。
騒がしい教室。
私の頭の中で飛び交う両親の怒鳴り声。
私、桓田 咲季(カンダサキ)は最近の流行語で言うJK、二年目。
めんどくさいぶりっ子のやつなんかといるより一人で過ごす方が好き。
中学から絡んでた子はこの高校にもいるけど、クラスが違うから最近は全く絡んでいない。
クラス内では、必要なことしか人と話さない。
だからいつも私は一人。
そんなのだって私は全然平気。
だって、この17年間…ずっと一人ぼっちだったから。
両親はいる。でも私は本当の家族だと思ったことはない…お父さんお母さんなんて、一度も呼んだことがない。
できることなら今すぐにでも家を出て行きたい。
物心ついたころから、私は両親から虐待をうけていた。
あれから約12年…
慣れとは怖いものだ。