月に秘めた恋
「・・・なんだよ?」


不機嫌そうに李生を睨む


「悪いけどさ・・・


数学教えてくれないか?」


「は?」


李生の手には 数学のノートがあった


「自分でやれよ・・・」


「てかさ 湊・・・


お前さ 最近未憂と居るよな?」


李生の声が 少し低く聞こえた


見ると 李生は俺を睨んでいる・・・


「・・・嫉妬かよ?」


「別に・・・未憂も楽しそうだし?


てか お前の好きな子って


まさか・・・未憂じゃねーよな?」


ドクン


鋭いな・・・


「・・・ちげーよ」


俺は素っ気無くそう言った


本当は・・・そうなんだよ


俺の好きな子は 未憂なんだよ


「だよな! それ聞いて安心した!


お前はダチだし・・・


未憂は俺の初恋なんだ・・・」


「・・・」


俺は 自分の気持ちに


気付かないフリをしていた
< 103 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop