月に秘めた恋
そう言った未憂の顔は


悲しそうに見えた


なんで・・・そんな顔すんだよ?


「・・・やっぱいい


もう 大丈夫だから・・・


また明日ね?」


未憂は 走って帰った


俺は どうする事も出来ないのか?


俺の事・・・どう思ってるんだよ?


未憂の言葉から 聞きたかったのに・・・


でも・・・気付いてるよな?


俺の気持ちに・・・


だけど 自分の気持ちを


優先にしたら・・・


1番困るのは 未憂だろ


もっと わかっていたらな


好きな子の気持ちとか・・・


わかってやりたいのに


それなのに 俺は


自分の気持ちを未憂に


押し付けるような事をして


「・・・最低だな 俺は」


そう呟きながら 家まで


歩き出した


空には 三日月が光っていた


俺にとって・・・月は


冷たいイメージがあった


夜は冷たいから・・・嫌いだった
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