月に秘めた恋
助けるつもりなんてなかった


だけど・・・身体が勝手に


動いてしまった


それに・・・俺の彼女なんて


言ってしまった


「じゃあ・・・俺は帰るから」


これ以上 関わりたくない


未憂の事を忘れたい


「・・・待って!」


ガシ


未憂は俺の腕を掴んだ


「湊君・・・ごめんね?」


振り返ると 未憂は


困った顔をしていた


「なんで謝るんだよ?」


「・・・私 湊君に迷惑かけちゃったから


助けてもらってばかりだから」


声が泣いているのがわかった


「本当に・・・ごめんね?


私・・・ウザイよね?」


わからなかった


未憂がどんな気持ちで


苦しんでいるのか・・・


俺は自分の手を 未憂の頬に当てて


指で涙を拭った


頼むから・・・泣かないでくれ


「・・・俺は お前の笑顔が


好きなんだよ」


「え?」
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