月に秘めた恋
いけないとわかっていても


振り返ってしまう


見ると 未憂がやって来た


「あの・・・突然ごめんね?」


「・・・何?」


少し素っ気無く言った


「・・・なんか私 湊君に


助けてもらってばかりだよね?」


少し悲しい顔をしながら


未憂は言った


「何が・・・言いたいんだよ?」


「・・・もうちょっと早く


湊君に会っていればよかったな」


「え?」


今・・・なんて言った?


「・・・じゃあね! 本当にありがと」


そう言って未憂は手を振りながら


家に向かって走り出した


なんだよ・・・それ


ドキン ドキン・・・


ダメなんだよ


一瞬 同じ事を思ってしまった


未憂に少し早く会っていれば・・・


でも 無理なんだよ


未憂は・・・李生の彼女だから


「なんで・・・あんな事言うんだよ?」


そう呟きながら 俺は


家に向かって歩き出した
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